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2016年11月13日 (日)

北部日記 11月13日

 アメリカ大統領選挙の結果は世界を驚かせました。当初は泡沫候補扱いだったトランプ氏が、超大国アメリカのトップに選ばれたのです。予想外の結果にマスコミも各国政府も戸惑いを隠せません。何がこのような結果をもたらしたのか、今さらのようにさまざまな分析が語られていますが、アメリカでも現状への不満が思った以上につもりつもっている、ということは言えるでしょう。ゆたかで強力に見えるこの超大国でも、多くの人々が生活の困難や不安を抱えているのです。
 今月はじめ、香山リカさんの講演を聞きました。今日の社会の中で、多くの、とくに若い人たちが生きることの困難やつらさを抱えていて、その憤りやうっぷんが、社会の変革にとりくんだりすることよりも、むしろ自分にとって異質な弱い立場の人々への攻撃に向かう、ということを指摘していました。同じことが、アメリカでも起こっているのでしょうか。 
 90年代の冷戦終結後、「グローバリゼーション」が加速し、世界的規模の経済活動が発展してきました。しかし、その恩恵を受けるのは、けっきょく社会の上層の一部の人々だけで、どの国でも格差は広がり、生きづらい人々が増えているのです。その不満が、理想を信じて変革に取組むよりも、粗野な自尊感情にしがみついて異質なものを攻撃・拒否・排除する方向に向かっています。世界でのテロの拡大、イギリスのEU離脱、ヨーロッパでの難民排除、日本でのヘイトスピーチの横行や国家主義の伸張など、根は同じように思えます。
 生きづらさや困難に迫られながら、それでも私たちはなお愛と平和を信じることに立つことができるかどうか、大きな試みに直面しています。

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