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2016年12月17日 (土)

12月11日 「しりぞけられていた者が」 

 そこで、役人たちはエレミヤを捕らえ、監視の庭にある王子マルキヤの水溜めへ綱でつり降ろした。水溜めには水がなく泥がたまっていたので、エレミヤは泥の中に沈んだ。
 宮廷にいたクシュ人の宦官エベド・メレクは、エレミヤが水溜めに投げ込まれたことを聞いた。そのとき、王はベニヤミン門の広場に座していた。
 エベド・メレクは宮廷を出て王に訴えた。
 「王様、この人々は、預言者エレミヤにありとあらゆるひどいことをしています。彼を水溜めに投げ込みました。エレミヤはそこで飢えて死んでしまいます。もう都にはパンがなくなりましたから。」
 王はクシュ人エベド・メレクに、「ここから三十人の者を連れて行き、預言者エレミヤが死なないうちに、水溜めから引き上げるがよい」と命じた。エベド・メレクはその人々を連れて宮廷に帰り、倉庫の下から古着やぼろ切れを取って来て、それを綱で水溜めの中のエレミヤにつり降ろした。クシュ人エベド・メレクはエレミヤに言った。「古着とぼろ切れを脇の下にはさんで、綱にあてがいなさい。」エレミヤはそのとおりにした。そこで、彼らはエレミヤを水溜めから綱で引き上げた。そして、エレミヤは監視の庭に留めて置かれた。    (エレミヤ書38章6~13節)

 バビロン軍がエルサレムを包囲する中、エレミヤは「降伏して生き延びよ」という神のことばを伝えます。しかし、高官たちはかえってエレミヤを死刑にせよと王にせまり、エレミヤを捕らえて水ために放り込んでしまいました。このとき、エレミヤを救ったのは、思いがけない人物、エベド・メレクでした。
 「エベド・メレク」とは「王の奴隷」という意味です。本名ではないでしょう。彼はクシュ人の宦官でした。異民族出身の彼は、救いを約束された神の民の一員ではありませんでした。そのうえ、身体に損傷のある宦官は神殿の礼拝に連なることも許されません。異民族の宦官である奴隷エベド・メレクは、二重三重にしりぞけられていた者でした。彼が宮廷で王に語りかけるエレミヤのことばに耳を傾けていたなどとは、エレミヤ自身も思いもよらなかったことでしょう。しかし、預言者の危機を救うために奔走したのは、神の民でも王でもエレミヤの弟子たちでもなく、このエベド・メレクだったのです。
 75年前、日米開戦の12月8日の朝、北海道大学で英語を教えていたレーン夫妻と、親しい北大生がでっちあげのスパイ容疑で逮捕されました。「レーン・宮澤事件」です。獄中のレーン夫妻が聖書の差し入れを望んだとき、教会の関係者は恐れて拒否しましたが、キリスト者でもない看守が自分で聖書を買って差し入れてくれました。思いがけない助けが与えられたのです。
 エベド・メレク自身、自分は神の恵みからはしりぞけられていると思っていたでしょう。しかし、神は彼に救いを告げます(39:15以下)。ほんとうは、神の目は、神の民からしりぞけられていた彼にこそ注がれていたのではなかったでしょうか。
 御子キリストは、しりぞけられていた者を招くためにこそ来られました(マルコ2:17)。その招きを信じ、受けとめましょう。

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