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2017年5月21日 (日)

北部日記 5月21日

 敗戦に至るまでの戦争の時代、「治安維持法」が社会や政治に深い影響を及ぼしていました。「治安維持法違反」を名目に検挙されたのは、政治や社会運動に携わった人たちばかりではありません。芸術家、宗教家、福祉活動、労働組合、教師、学生、外国人など、あらゆる立場の人々が「治安維持法」での取り締まりの対象となり、「自分は治安維持法違反などとは関係ない」と思っていたのに、ある日とつぜん警察に連行されてしまった人々も少なくありません。キリスト教関係者も多くその対象になりました。三浦綾子さんの晩年の小説の『母』や『銃口』も「治安維持法」の恐ろしさを描き出しています。
 「治安維持法」の成立は、民主的な「普通選挙法」の成立と同時期でした。「大正デモクラシー」といわれるような、前後の時代にくらべて比較的自由な雰囲気であったといわれるこの時期に、こんな恐ろしい法律がどうして成立したのか、歴史を学んでもどうも腑に落ちませんでした。当時の政治家たちや世論は、この法律のもたらす深刻な影響にどうして考えが及ばなかったのか、ふしぎでならなかったのです。
 しかし、まさに今、「あの時代の流れもこういうことだったのか」と腑に落ちてしまうような状況のただなかにあります。「現代の治安維持法」とも批判される「共謀罪法案」が国会で審議されています。かつての治安維持法がそうであったように、いちど成立した法律は、後日さらに強化され、もっと恐ろしいものになりかねません。「テロの恐怖」を逃れようとして「権力の恐怖」に陥る愚をくりかえすわけにはいかないのです。

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