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2018年6月17日 (日)

北部日記 6月17日

 明治の初め、新しい国家や社会のありかたをめぐって「自由民権運動」が盛り上がり、これから日本がどんな国となっていくべきか、全国各地で議論がなされました。その結果が、民間の憲法案としていくつも残されていますが、そこには、「私たちの国をこう作ろう」という理想と熱意がこめられています。
 そうした憲法案のひとつに『五日市憲法』があります。東京西部の五日市という町の旧家の土蔵から、1968年に大学の調査で原稿が発見されました。その内容は、国民の権利を尊重し国家権力を抑える非常に先進的なものでした。
 この「五日市憲法」を発見した学生、新井勝紘さんは後に研究者となり、つい先日、『五日市憲法』(岩波新書)という本を公刊しました。そこには「五日市憲法」の内容の紹介と共に、この憲法案を記した千葉卓三郎という人物についてもくわしく記されています。
 千葉卓三郎は、1883年、31歳で亡くなっているのですが、五日市で教師をしながら仲間たちと熱く議論を重ね、この憲法案をまとめることに全力を注ぎました。彼は幕末に仙台で生まれ、明治維新後、キリスト教(ロシア正教)の信徒となり、熱心な伝道者となります。その後もキリスト教や他のさまざまな学問を学び、ついには国の将来の理想を画期的な「五日市憲法」に書き残したのでした。
 憲法改正が論じられる今、自分たちの国と社会のありかたについて信仰者としてどう考えるべきか、先人たちから問いかけられているようです。

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