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2018年7月21日 (土)

7月15日 「彼女たちの戦い」

わたしたちはトロアスから船出してサモトラケ島に直航し、翌日ネアポリスの港に着き、そこから、マケドニア州第一区の都市で、ローマの植民都市であるフィリピに行った。そして、この町に数日間滞在した。安息日に町の門を出て、祈りの場所があると思われる川岸に行った。そして、わたしたちもそこに座って、集まっていた婦人たちに話をした。ティアティラ市出身の紫布を商う人で、神をあがめるリディアという婦人も話を聞いていたが、主が彼女の心を開かれたので、彼女はパウロの話を注意深く聞いた。そして、彼女も家族の者も洗礼を受けたが、そのとき、「私が主を信じる者だとお思いでしたら、どうぞ、私の家に来てお泊まりください」と言ってわたしたちを招待し、無理に承知させた。
                          (使徒16章11~15節)

 パウロたちは、ユダヤ人が安息日に集まる「祈りの場所」を探して川岸に赴きました。ふつう、「祈りの場所」としては会堂が建てられるのですが、フィリピの市中にはユダヤの会堂がなかったのでしょうか。
 ここでパウロたちはリディアという女性に出会います。男社会の中、女の身で商売をいとなむには、ひと一倍苦労してきたことでしょう。彼女は「神をうやまう」人でした。これは、ユダヤの神を信じ求める異邦人、「求道者」のことです。彼女は、異邦人でありながら聖書の神に出会い、求めるようになっていました。しかし、夫のない異邦人女性には、ユダヤの会堂にも居場所がなかったのかもしれません。彼女にとって、「ユダヤ人も異邦人もない、女も男もない」と、すべての人を救いへ招くキリストの福音がどんなにうれしかったことでしょう。彼女は自分の家を福音の拠点として提供します。ここに、フィリピで、ひいてはヨーロッパ大陸で最初の教会が形作られたのです。
 フィリピでパウロたちはもうひとりの女性に出会います。「占いの霊」にとりつかれていた女奴隷です(16~18節)。彼女は、「占いの霊」だけではなく、彼女を金儲けに利用する主人たちの欲望や、奴隷の重荷を負わせる社会のありかたにもまたしばりつけられていました。彼女のしつこいほどの叫びは、彼女自身の救いを求める叫びにも聞こえます。イエス・キリストの名によって「占いの霊」から解放されたあと、彼女もリディアの家の集まりにつながったでしょうか。
 後に、パウロはフィリピの教会に書き送った手紙のなかで、「あなたがたはわたしと同じ戦いを戦っている」と励まします(フィリピ1:27~30)。リディアたちの顔やできごとを思い浮かべながら記したことばに違いありません。今の社会に生きるたくさんのリディアたち、女奴隷たちをも、キリストは、励まし、導き、支えてくれるでしょう。

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