« 北部日記 5月19日 | トップページ | 北部日記 5月26日 »

2019年5月25日 (土)

5月19日「欲望からの解放」

さて、あなたがたは、以前は自分の過ちと罪のために死んでいたのです。この世を支配する者、かの空中に勢力を持つ者、すなわち、不従順な者たちの内に今も働く霊に従い、過ちと罪を犯して歩んでいました。わたしたちも皆、こういう者たちの中にいて、以前は肉の欲望の赴くままに生活し、肉や心の欲するままに行動していたのであり、ほかの人々と同じように、生まれながら神の怒りを受けるべき者でした。しかし、憐れみ豊かな神は、わたしたちをこの上なく愛してくださり、その愛によって、罪のために死んでいたわたしたちをキリストと共に生かし、――あなたがたの救われたのは恵みによるのです―― キリスト・イエスによって共に復活させ、共に天の王座に着かせてくださいました。こうして、神は、キリスト・イエスにおいてわたしたちにお示しになった慈しみにより、その限りなく豊かな恵みを、来るべき世に現そうとされたのです。(エフェソの信徒への手紙2章1~7節)

 2015年、国連で「持続可能な開発目標(SDGs)」が定められ、世界各国で取り組むこととなりました。冷戦後の世界を覆う資本主義経済は、人間の欲望を満たすために自由に経済活動を行うことをよしとしています。しかし、このまま経済活動が好き勝手になされていては人類社会は続かない、という危機感を背景にSDGsが定められました。そうした今日の課題を念頭に、きょうの聖書の箇所を読みます。
 1~3節では、欲望のままに行動することが、過ちと罪を犯し、死をもたらすことになるとしています。それが生来の人間のありようなのです。
 2節には「この世を支配する者」「空中に勢力を持つ者」「不従順な者たちのうちに働く霊」とあります。当時の人々は、天地の間には神に逆らい人を惑わすよこしまな霊がうようよしていると考えていました。今日の状況でいえば、人を動かす「欲望」そのもののことと言っていいかもしれません。
 しかし、キリストを復活させた神は、わたしたちを救い出してくださいます(4~6節) 。それは、わたしたちが何かをすることによってではなく、神の恵みとしてもたらされるのです(8~9節)。
 では、SDGsなどの取り組みや努力は無意味なのでしょうか。
 この段落の結論、10節では、わたしたちは神の備えた「よい業」を行うために造られたとあります。わたしたちは、欲望に従って行動するのではなく、神が準備してくださった、みこころにもとづく業を行って歩むのです。
 ここでは「欲望」が消滅するとは書いてありません。欲望は存在しているとしても、わたしたちは欲望の奴隷となって欲望に従うのではなく、欲望から解放されて自由になり、神に従って歩むものとなるのです。わたしたちは、そのようにして死と滅びから救われ、ほんとうに生きるものとなるのです。

« 北部日記 5月19日 | トップページ | 北部日記 5月26日 »

説教要旨」カテゴリの記事