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2019年6月 1日 (土)

5月26日「壁を壊す」

実に、キリストはわたしたちの平和であります。二つのものを一つにし、御自分の肉において敵意という隔ての壁を取り壊し、規則と戒律ずくめの律法を廃棄されました。こうしてキリストは、双方を御自分において一人の新しい人に造り上げて平和を実現し、十字架を通して、両者を一つの体として神と和解させ、十字架によって敵意を滅ぼされました。            (エフェソの信徒への手紙2章14~16節)

 30年前、ベルリンの壁が崩壊し、東西ドイツが統一されました。「隔ての壁を取り壊し、二つのものを一つにする」できごとでした。しかし、むしろ人は隔ての壁を築くことに熱心です。
日本では今、目に見えない壁が築かれています。隣国に対する敵意をあおり、退けようとする心の壁です。隣国だけでなく、社会の中の少数者など、自分と違う者を敵としておとしめ、敵意や嫌悪がむきだしにされています。
 新約聖書の時の「壁」は、ユダヤ人と異邦人の間の敵意でした。律法を大切に守り、神の民としての自己認識を深めたユダヤ人と、奇妙な生活習慣を保ち周囲に妥協しないユダヤ人を排斥する異邦人との間に、敵意という隔ての壁が築かれていたのです。
 しかし、神は、律法によらない新しい共同体を形作るよう導きます。主イエス・キリストの名のもとに集まる教会は、ユダヤ人にも異邦人にも開かれた共同体です。律法は廃棄され、ユダヤ人と異邦人と双方がひとつのキリストの体、共同体を形作るのです。
 しかし、教会は、その後の歩みの中でまた隔ての壁を作ってきてしまっています。さまざまな教派が分立し、今日の日本基督教団のなかにも、さまざまな隔てが生じてしまっています。
 キリストは、十字架によって敵意を滅ぼしました。敵意に対して壁を作って自らを守るのではなく、敵意を身に引き受けて十字架で死に、そして復活によって敵意を無意味にしたのです。
 人は壁を作ります。しかし、神は壁を壊します。わたしたちはこれからも隔ての壁を築いてしまうかもしれません。しかし、敵意という壁を壊してくださる神を信頼し、勇気をもって敵意をのりこえていきたいと思います。
 

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