カテゴリー「北部日記」の記事

2019年5月19日 (日)

北部日記 5月19日

 水曜日午前の祈祷会では、月刊誌『信徒の友』の記事から学んでいます。近年の『信徒の友』は意欲的な特集・連載が多くて読みごたえがあり、どの記事をとりあげようか迷うこともしばしばです。
 4月から新連載「シリーズ 性 LGBTから学ぶ」が始まりました。「LGBT」とは、同性愛者や性同一性障害など「性的少数者」のことです。最近、LGBTをめぐる社会的課題が話題となることも多くなり、ドラマやコミックでもひんぱんに取り上げられています。しかしキリスト教会では、とくに信仰とのかかわりでどう受けとめたらいいのか、戸惑いや違和感が大きく、むしろ反発や拒絶の反応もまれではありません。
 旭川にいたときのことです。かつて東京で地区の教会青年として共に活動していたひとりから久しぶりに「会いたい」と連絡がありました。駅前で待っていてもそれらしき姿はありません。ふと気が付くと、近くに、女装の彼がいました。「説明ぬきでこういう姿を示したのは初めて」と、幼い頃からずっと苦悩していたことを教えられました。また最近も、かつての同級生が体と心の性の不一致を抱えていたことを知らされました。「性」をめぐって、親しい人々からも自分自身を隠し、不安や苦悩を抱えている人々が身近にいることを実感しています。
 信仰と性について考えるための本を紹介します。実力ある執筆陣による『10代のキミへ いのち・愛・性のこと』(教団出版局)は、読みやすく、おとなが学ぶのにもよい本です。平良愛香牧師の『あなたが気づかないだけで神様もゲイもいつもあなたのそばにいる』(Gakken)は、著者自身の歩みを率直に示し、思いのこもっただいじな本です。一読ください。

2019年5月12日 (日)

北部日記 5月12日

 数年前から、NHKの朝の「連続テレビ小説」いわゆる「朝ドラ」を見るようになりました。いま放送中の『なつぞら』は、北海道・十勝が舞台ということでも興味をそそります。でも、北海道民としては、オープニングのアニメ(女の子が動物たちと仲よく遊んでる)を見るたび、ついつい「キツネにさわるとエキノコックスに感染するかも」「母熊がこわいから子熊には近寄らないで!」と、はらはら・・・。
 ドラマそのものは出演陣の好演もあって楽しんでいるのですが、ひとつ、どうにも違和感をぬぐえない点があります。戦後まもない頃にしては、登場人物の身なりがよすぎるのです。自分のこどもの頃を思い出しても、自分もまわりの皆も、もっと地味でやぼったく、しかも、お下がりなど、着古してくたびれた服があたりまえだったように思います。それよりさらに前の時代のお話なのに、ドラマとはいえ、皆、着ているものがあまりにぱりっときれいでかっこよく、そこだけはどうもなじめません。
 昭和史を題材とした多くの著作があるノンフィクション作家の保坂正康さんが、「昭和という時代が〈同時代史〉から〈歴史〉に移行していくとき、〈同時代史〉の中では戦争反対の意味は皮膚感覚になっているから共鳴共感を得るが、〈歴史〉になるとその皮膚感覚は想像力に移っていく。想像力が欠如していたり、知識として戦争の本質を見抜けない者は、実にあっさりと武力行使を容認してしまう。今はそういう時代に入っている」と書いていました。みんな身なりも貧しく、でも戦争は絶対にいやだと思っていた、戦後の「皮膚感覚」はもはや遠くなった今の時代です。「想像力」と「知識」を、意識して獲得していかなければなりません。

2019年4月28日 (日)

北部日記 4月28日

☆先週はイースター礼拝を喜びささげることができました。毎年恒例の、礼拝後の記念写真も、にぎやかに笑いさざめきながら無事に撮影。それでも、今年は入院中や療養中の方が多く、さびしい思いもつのります。その後、何人かの方々のところへ病床聖餐式に赴きました。パンと杯を分ちあうことを通し、ひとりで入院・療養されている方々も、主の恵みのしるしに結ばれて教会のみんなとにつながっていることを、ひとしお深く覚えることができました。
☆今日は、教会総会です。教会の一年の歩みをふりかえり、新しい一年への展望を共にします。昨年は、太平こどもの家の40周年という節目の年でした。また牧師が他教会の代務や教団のつとめに用いられることとなり、そのぶん、信徒が教会を支える働きを自覚させられました。今年度は、わたしたちの教会の会員相互、そして他教会とのきずなをいっそう深め、さらに社会の動向とむきあっていくことがいっそう重要になっていくでしょう。礼拝を中心に、祈りを深めていきたいと思います。
☆受難週に、父が天に召されました。葬儀は、関係の深かった「アジア学院」で行われました。キリスト教にもとづく農業指導者養成のための学校で、世界中から学生がやってきます。卒業生たちは、各国で地域の生活向上のために、また人々の和解と平和のために働いています。父は、幼い頃の戦争体験から、平和な家庭の生活が守られることを生涯のテーマとして、研究や活動、そして自分の家庭生活に携わってきました。そんな歩みにふさわしい場所で、父らしい葬儀となったと思います。札幌北部教会からも温かいメッセージをいただきました。ありがとうございました。

2019年4月14日 (日)

北部日記 4月14日

 4月もなかばとなります。道路ぎわに山と積もっていた雪もすっかり消え、ようやく春めいてきました。暖かい春の陽ざしに、仕事のあいまについつい外へと誘われます。
 花壇にはいちはやくクロッカスが咲き、よくみると片隅にギョウジャニンニクが伸びています。春の味、ヤマワサビもそろそろ楽しみ。雪の下で冬を耐えた草木が日ごとに芽をふくらませ葉を広げてきています。
 雪の下から出てくるのは、草の芽ばかりではありません。ひと冬のあいだ隠れていたゴミも現れてきます。隠しておいたはずの過去があらわにされる心もちにも似て、そしらぬ顔で見て見ぬふり・・・。
 冬の間さぼっていた、カメの水槽の掃除をしました。掃除の間、カメもつかのまのひなたぼっこです。かわいそうなほど甲羅につもった数か月分の汚れもぬぐってさっぱり。冬の間も暖かい部屋なので、冬眠はしませんが、動きは鈍くなります。春と共に動きが活発になり、誰もいないはずの部屋に突然がさごそと音が響いてぎょっとさせられることも。
 北海道の春は、長い冬から解放された喜びがみなぎります。いたるところに命が芽吹き、色彩を失っていた景色がみるみる多彩にいろどられ、力と熱を取り戻した光に促されるように、人も動物も生気を取り戻して動き回り始めます。
 この季節に、イースターを迎えます。いのちがよみがえる不思議なまでの感動を、理屈ぬきに心からの喜びと共に全身で味わうことができるのは、冬きびしい北国ならではの恵みです。希望の春のおとずれを、喜びと感謝をもって祝いましょう。
 

2019年4月 7日 (日)

北部日記 4月7日

新元号が発表されました。メディアでは飽きるほど繰り返し話題としてとりあげられ、あたかもこの世のすべてが新元号に染まっていくような演出がなされています。しかし、世界の人々からすれば、ある国のカレンダーの書き方の問題にすぎません。

今回、初めて中国の古典ではなく日本の『万葉集』を根拠として元号の文字が選ばれました。それを「日本らしさ」と評価する声が紹介されますが、そもそも「元号」という制度そのものが中国にならったものです。根拠とされた万葉集の文章じたい、中国の詩文に基づくものと指摘されています。「日本の伝統」を強調すればするほど、わたしたちは始めから隣国との関係に生かされ養われてきたことが明らかにされてきます。

歴史的には、元号は支配者が定め、その支配下にある人々に使わせるものでした。逆に、ある支配者が定めた元号を用いないことは、その支配を認めないということでした。日本でも、京都の朝廷が元号を新しく定めても古い元号を使い続けることで政権への異議を表明した例は多くあります。室町時代、朝廷が南北に分裂し、それぞれ別々に元号を定めていたとき、各地の有力者たちは、どの元号を使うかでどちらの朝廷を支持するかを明らかにしていました。元号は、きわめて政治的な意味をもつ道具なのです。

 わたしたちは、「キリスト者だから、元号ではなくキリスト紀元(西暦)を用いる」とも主張します。しかし、それ以前の問題として、「元号を定め使わせるのは、人が人を支配するしるし」ということをこそ、しっかり心にとめておかねばなりません。

2019年3月31日 (日)

北部日記 3月31日

各国から日本キリスト教団に派遣されている宣教師たちが集まる宣教師会議が毎年3月に行われます。今年は山梨・清里で行われました。
「会議」といっても、議論して何かを決定するのではなく、それぞれの体験を報告したり現場の経験からの意見を交換したり、また周囲の散策や体験プログラムもおりこんだ、ゆるやかなプログラムです。もともとは、日本各地で苦労の多い働きをしている宣教師たちが家族ぐるみで集まり、ふだんは話す相手の限られる英語でぞんぶんに語り合い、心身をリフレッシュさせるのが大きな目的だったといいます。
 ところが、近年、英語圏からの宣教師は少なくなり、しかもその多くが学校で英語教育などに携わる「教育宣教師」で、実際に教会での牧会にたずさわっている人はごくわずかです。かわって増えているのが韓国からの宣教師です。韓国からの宣教師で、日本キリスト教団の教会の牧師として働いている方々は、もはや珍しくありません。今回の宣教師会議の参加者も、半数以上が韓国そして台湾からの宣教師でした。会合では、英語・韓国語・中国語・日本語が用いられ、欧米からの宣教師とアジアからの宣教師が、共通言語の日本語で語りあっている場面もあちこちで見られました。
 会議に参加してみて、とくに韓国の諸教会が海外伝道に力を注ぎ、中でも日本人への福音伝道に熱い志を抱く人々が少なくないことを知らされました。私の両親が所属する教会の牧師も韓国からの宣教師で、信徒たちの信頼を集めています。熱い信仰とすぐれた賜物を携えて海外から来られる宣教師たちに、日本の教会は今も支えられているのです。
 

2019年3月24日 (日)

北部日記 3月24日

☆先週、教会の全体協議会を行いました。毎年、この協議会では総会に先立って教会の活動内容や会計等について意見を交換し、それによって役員会で議案を整えていくことになります。
協議会では、今後さまざまな形で互いに支えあうことがいっそう重要になってくることを覚え、ふさわしい教会の新年度の主題について意見を出し合いました。いっぽう、教会会計の厳しい状況も指摘されました。また教会の働きを担う各委員会の働きを紹介し、委員を募りました。新年度にむけて、思いをあわせて一歩を踏み出す時となりました。
☆札幌地区の総会が行われました。新しく指方信平牧師が地区委員長に選出され、3期6にわたって委員長をつとめた板谷良彦さんが任を終えました。ご労苦に主のねぎらいを祈ります。
 地区総会では、自主活動団体の「札幌地区協会青年協議会」の活動について報告がなされました。毎年、集まる青年の顔ぶれは変わっていきますが、現在20名以上が名を連ねているということです。若い世代の成長が楽しみです。
☆先日のニュージーランドでのモスク襲撃事件で、弟が勤務するクライストチャーチの高校の生徒が二人、犠牲となりました。首相が高校を訪れ、また高校生たちが仲間の死を悼む集いのようすが日本のニュースでも報じられました。ニュージーランドの社会全体が悲しみに覆われていますが、それと共に、襲撃犯がもくろんだような排斥と敵対をきっぱりと拒む姿勢も明らかにされています。自分たちの社会がどうあるべきか、自分たちで作り上げていく意識の深さを感じます。

2019年3月17日 (日)

3月17日 北部日記

 ニュージーランドのクライストチャーチで凄惨な事件が起きました。事件の背景や犯人の動機はこれから詳しく明らかにされていくでしょうが、大きくみれば、いま世界にはびこる分断と憎悪の一環といえるのではないでしょうか。
 東西冷戦の終結後、インターネットなどの技術の発達で世界がいっそう緊密に結びつくグローバル化が進行し、人々の間の隔てが縮小して親密になっていくと期待されました。しかし、現実には、かえって人々の間の格差や分断が深刻になり、あちこちで隔てと敵意が広がっています。
 アメリカでは国境に壁をつくろうと本気で主張され、イギリスはEUからの離脱を決定、ロシアや中国では国内での管理や抑圧が強まり、中東や中米では内戦や治安の悪化でおおぜいが難民となって故郷から引き離されています。
 日本でも、今、韓国・北朝鮮や中国への敵意や憎悪をあおる言説がますますエスカレートしています。感情的で、事実を無視・歪曲する記事やニュース、出版物があふれ、いつのまにかそれを常識とするような社会の雰囲気が作り上げられていっています。
 ニュージーランドの事件はけっしてひとごとではありません。隔てや憎悪をのりこえる、ひとりひとりの日々の祈りとことばとふるまいとが求められています。
 

2019年3月10日 (日)

北部日記 3月10日

 北部教会からも多くの方々がかかわってきた、東北教区の被災者支援センター「エマオ」は、今年度末をもって活動を終えます。先日届いたエマオのニュースレター『スローワーク』から、東北教区議長の小西望牧師のメッセージの一部を紹介します。
                *   *   *
 東北教区は話し合いを経て、被災者支援センター・エマオの活動を2018年度末まで継続してきましたが、それもいよいよ閉じていくことになります。これまでに関わった人は、ボランティアだけで9000人を超えます。本当に多くの人が「エマオ」を通じて繋がり信頼を交わしてきたことに驚きを感じます。もちろん失敗や課題もありました。がそのような欠けをもった私たちが8年を歩んでこれたことに、大いなる方の支えと導きを思います。
 当初のドロかきから最近の少人数のお茶っこまで、働きは被災状況と必要によって大きく変化してきました。以前にも書きましたが、ですから思い起こす被災者支援センター・エマオの姿は、関わった個々人において違っているのだと思います。センターとしての働きは閉じていきますが、その記憶と意義は連なった一人一人の中に溶け込み、これまでもそしてもしかしたらこれからも何らかの役割を果たしていくのではないでしょうか。荒浜に、石巻に、そして全国さらには世界のあちこちに「エマオ」の記憶を湛えた人たちが元気に歩んでいる、このことは大きな励ましであると思うのです。
 関わられたお一人お一人に、導かれた大いなる御手に感謝します。

2019年3月 3日 (日)

北部日記 3月3日

 先週、バザーの後、役員の皆さんにそのまま残っていただいて役員研修会を行いました。毎年一回、役員研修会を行い、その時々の教会の課題などについて集中して学んだり話しあったりしています。
 今回は、まず教会の葬儀についてとりあげました。これまで、教会での葬儀の際は、夜に「前夜式」を行って翌日午前中に「告別式」を行うことがほとんどでした。けれども、近年、他教会では家族の事情や種々の制約により、それ以外にもさまざまなパターンで葬儀が行われるようになってきています。今後、北部教会でも対応をせまられるかもしれません。
 続いて、災害時の対応について相談しました。先日も地震がありましたが、大きな災害のとき、教会員の安否確認など、どう対応すべきでしょうか。地震だけでなく火事や大事故の場合、教会で集会中の場合、急病人が出た場合など、緊急時にどう対処できるか、これまで教会として確認する機会はほとんどありませんでした。さらに、災害時に教会に避難してくる人がいるかもしれません。課題は多いのですが、まずはできるところから対応を考えていこうと話し合いました。
 最後に、新年度にむけて、とくに牧師の働きについて考えました。教団のつとめを担うために留守がちになり、平日の集会や活動、また牧会活動への影響は避けられません。教会の教会の事務的・実務的な働きで牧師が担っているものも多くあります。教会の働きをとどこおりなく進めていくために、役員はじめ信徒で働きを分かち合ったり作業を工夫したりしてみようと話しあいました。
 役員は、教会を担い牧師を支えています。どうぞお祈りください。

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